タップ
ボール盤で使うタップには「通り用」と「止まり用」があります。止まっている穴(止まり穴)にねじを切るには止まり穴用のタップ。貫通している穴には通り用のタップです。
何が違うか。止まり用は切粉が上に上がっていくから、穴の底で切粉が詰まらない。通り用は切粉が下に落ちていくから、これまた切粉が詰まらない。ちなみに工具屋さんの呼び方だと、止まり用は「スパイラルタップ」、通り用は「ポイントタップ(ガンタップ)」ですね。
理屈から考えると、切粉が下に落ちていく通り用のタップのほうが折れにくい、ということなんです。止まり用のタップは切粉が上に上がっていく構造ですけれど、何かトラブルがあると切粉が引っかかって、タップが折れてしまうことが起きるんですね。
そこで、折れにくくなっているのが3番目の「転造タップ」です。転造タップというのは、刃で削るのではなく、材料を転がして塑性変形させることでねじ山を作り出すタップ。切粉がそもそも出ないので、切粉詰まりによる折れがありません。榊原工機では細いねじのとき──M2とかM1.6、M1.5といったサイズで、この転造タップを使っています。皆さんの会社はどんな使い方をしていますか?
マシニングセンターで使うものだと、これ以外にもプラネットタップ(ねじ切り工具を旋回させてミーリングでねじを作る工具)なんてものもあるんですけれど、その辺の話はまた今度にしますね。
ちなみにタップの種類、ざっと挙げるとこんなところです。手作業の基本の「ハンドタップ」(先・中・上げの3本組)、止まり穴用の「スパイラルタップ」、通り穴用の「ポイントタップ」、切粉の出ない「転造タップ(ロールタップ)」、配管ねじ用の「管用タップ」、量産ナット用の「ナットタップ」。用途に合わせて使い分けると、タップ折れはぐっと減りますよ。
以上、タップの話でした。